レビュー・映画 『愛と追憶の日々』


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1983年公開のアメリカ映画。監督・脚本をジェームズ・L・ブルックスが手がけ、アカデミー賞とゴールデングローブ賞をW受賞した。

アメリカに住む母と娘の30年間。娘が小さい頃に父親は亡くなり、女手一つで娘を育てあげた母親の反対を押し切り、娘は生活力の無い貧しい教師の男と結婚。貧乏で子供にも満足にしてやれないのに、娘は次から次へと子供を産み、旦那に浮気されたり、一人残された母親は孫が出来てから老いらくの恋に目覚めたり、最後には若くして癌を発病した娘が3人の子供を残して先立ってしまう。どんな家庭にも、長い人生の中ではありそうな出来事を、一つ一つ淡々と描いている。

ドラマティックではないのに、妙に心に残る映画なのは、やっぱり俳優が良いからだろうか。母親役にシャーリー・マクレーン、娘役に若きデブラ・ウィンガー、一癖も二癖もある母親の恋人役にはジャック・ニコルソンなど、名優揃いだ。シャーリー・マクレーンは表情だけで色々なことを語れる、まさに「銀幕」がふさわしい表現力のある女優。しわしわなのに実にチャーミングだ。デブラ・ウィンガーも、後年のような痛々しい感じが無くて、無学だけど生きる強さをしっかりもった娘を好演している。ジャック・ニコルソンの変人ぷり、嫌らしいっぷりは、言わずもがな。

70~80年代のアカデミー賞受賞作には、好きなものが多い。やっぱりアメリカが力が本当にエネルギッシュでクリエイティブな時代だったから???

『普通の人々』とか結構渋めの作品も多くて、今のアカデミー賞から考えるとちょっと意外な感じがする。80年代後半になってくると、『アマデウス』はじめ、『愛と哀しみの果て』『ラストエンペラー』そして『プラトーン』と、名作だけどやや大味な感じがしてきて、90年代以降は娯楽用大作時代に突入・・・

余談だが、90年代のカンヌ・グランプリ作品は、『パルプ・フィクション』や『覇王別姫』など個人的に好きなのが多い。しかし、2000年以降は一転、暗過ぎる作品が多くてやはり嫌煙。でも、アカデミー賞もカンヌ映画祭も、色々時代の変遷を反映していて面白いなあ、と思う。

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