『夜は短し歩けよ乙女』 森見登美彦


先日読んだ池澤夏樹日本文学全集の、『竹取物語』訳が面白かったので、久しぶりに森見登美彦を読んでみようかなあ、と思った。

森見登美彦さんは、ずっと以前に『太陽の塔』を読んだことがあって、結構面白かった記憶がある。ものすごく好きなジャンルではないけれど、自分と1歳しか違わない著者というのもあって、なんとなく読みやすい。

この本も、『太陽の塔』と同じ3点セットである。すなわち、

⑴漢文書き下しか明治の文豪かと思うようなやたら難しい熟語や古風な言い回しを駆使した主人公の語り口調

⑵冴えないオタクかつかなりイタイ青年主人公

⑶怒涛の天然ぷりを発揮する不思議ちゃん女子

である。で、やはり相変わらず、この3点セットが噴き出すほど面白く、外では中々読めないシロモノだ。

さらに『太陽の塔』では、ファンタジーがとってつけたように最後に挿入されたような感じだったが、『夜は短し歩けよ乙女』では、最初の話からファンタジー色が全開で、奇想天外なくだらなさが半端ない。ものすごくくだらないのだが、これがややもすれば「オタクな人たちのイタイ話」を、「ポップではじけたキュートな話」に変換しているのだから、森見登美彦は日本文学のきゃりぱみゅみたいになれるかもしれない。

夜の木屋町先斗町から下鴨神社の古本市、御所近くの京大キャンパス、鴨川河畔かや四条河原町など、舞台の京都を散々楽しめるのも乙である。

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