おすすめ絵本20 『りんごかもしれない』 


りんごかもしれない』

作:ヨシタケシンスケ 出版社:ブロンズ新社

子供が食いつく、新しいナンセンス絵本の決定版。でも、本当はナンセンスだけじゃない深さがあります。

《概要》

テーブルの上に置いてある一つのリンゴ。見た目は普通のリンゴ。でも、もしかしたら、ただのリンゴじゃないのかもしれない。大きなサクランボの一部とか?実は何かのタマゴとか?いやいや、表面に小さな宇宙人が住んでいるのかも?もし、このリンゴに気持ちがあったら、、、想像はどんどん膨らんで、そんなのあり得ない!?というところまで世界が広がっていきます。

《おすすめタイプ》

4、5歳ぐらいから。自分で字が読めるようになると、さらに楽しめます。男の子は大好物だと思いますが、女の子にも、是非読んでほしい。

《おすすめポイント》

ヨシタケシンスケさんは、筑波大学大学院の芸術研究科を卒業し、スケッチや広告美術などで活躍されてきましたが、初めて出版した本書が大ヒットし、今では大人気の絵本作家さんになりましたね。

私も比較的最近知ったのですが、他の絵本も面白い。でも、やっぱりこのデビュー作に、ヨシタケシンスケさんの絵本の面白さが凝縮されているな、と思います。テーブルに置かれた一個のりんごから、想像、というより妄想、に近いような世界が広がっていきます。

それが、ちょっと普通の大人で考えつかないようなイマジネーションだし、全く教条的でない、というか、かなりくだらなくてナンセンスなところが、子供にはバカウケ。絵もユーモラスで面白いし、結構シュールな笑いも隠されていて、読みながら大人も笑ってしまいます。

私的には、『キャベツくん』の長新太に次ぐ、ナンセンス絵本の新王者現る!と密かに思っています。

大人も読めるナンセンス絵本の面白さは、くだらないだけじゃなくて、どこか皮肉とか現実世界への批判的な要素が隠されているところ。この『りんごかもしれない』で言えば、「一見、普通のりんごにしか見えないものも、本当はそうじゃない可能性があるよ!」ってことですよね。誰もが当たり前だと思うこと、見えてるだけだと普通に見えること、もしかしたらその陰に、とんでもない秘密が、可能性があるのかもしれない。だから、子供が楽しんだ後に、これも本当にただの○○なのかな〜?なんて、想像して楽しむ「広がり」が生まれます。(全部それをやられたら親はたまったもんじゃないけどね)

物事は、今そこに見えてるだけの姿だとは限らない。ちょっと違う角度でものを見たり考えたりするだけで、世界の可能性は無限大に広がっていくのです。ネットやテレビで見かけた情報を鵜呑みにして、条件反射のごとく騒いだり右往左往しているような今の大人の方が、この絵本を本当に必要としているのかもしれませんね。自戒を込めつつ、、、

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