おすすめ絵本29 『ねこざかな』


ねこざかな』

作・絵: わたなべ ゆういち 出版社:フレーベル館

絵も歌も言葉もお話も、子どもの心からの「楽しい」が詰まった、ナンセンス絵本の傑作。

《概要》

ある日、食いしん坊の猫が大きな魚を釣り上げた。猫が魚を食べようとしたら、反対に大きな魚は猫をパクリと飲み込んでしまいます。お互いに「けしからん!」と喧嘩していた猫と魚は、いつの間にか魚が猫を口に入れたまま「ねこざかな」として遊び始めます。

《おすすめタイプ》

ストーリーを理解しなくても2歳くらいから楽しめます。長いストーリーや絵本が苦手な子にもおすすめ。

《おすすめポイント》

長新太さんの『ブタヤマさんたらブタヤマさん』の記事でも紹介したように、子どもは、大人からすると「何それ!」というようなナンセンスやシュールさが大好物だったりします。

猫が魚を飲み込んで合体して「ねこざかな」。もういきなり、「何じゃそりゃ」という感じですが、この絵本も、母親の思惑はお構いなく、子どもが選んで借りてきて、すっかりお気に入りになってしまった絵本の一つです。なんと、ミュンヘン国際児童図書展優秀絵本やボローニャ国際児童図書展グラフィック賞など、数々の賞を受賞した名作だった、なんて知ったのは後から。シリーズでいくつも作品があって、どれも最強にくだらないのですが(笑)、少しでも物語性があったりためになる絵本を、、、などという密かな親の野望をものともせず、とにかくうちの子どもたちは喜んで読んでいました。

ストーリーはあってないような感じですが、とにかく発想が面白い。ユーモラスでカラフルな絵や、歌や言葉遊びなど、子どもが素直に楽しめる要素がいっぱい詰まっています。この作品には出てきませんが、『ねこざかなのおしっこ』とか『そらとぶねこざかな』とか、子どもたちが大好きな「下ネタ」も出てきたりします(笑)

『ブタヤマさんたらブタヤマさん』の記事でも書きましたが、大人の常識には包容しきれないこのナンセンスとシュールさ。その自由奔放さが、子どもの想像力と創造力の要なんですよねえ。子どもってほんと、親の予想の斜め上を行く回答や反応を示したりしますが、そこでイライラしてはいかんのです。だって、大人の想定内で行動する子どもなんて、本当は気持ち悪いんですもの。そうやって、母は自分に言い聞かせながら、内心「なんじゃそりゃ」と思いつつ、今日もナンセンス絵本を読むのでした。

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