読書と教養 BOOK+– category –
- 読書と教養 BOOK+
名言・名文・名句 『氷点』 三浦 綾子
異様なほどの優しさだと啓造は思った。こんな奇妙なやさしさは、男にはない。これが母性愛というものなのかと、啓造は夏枝をながめた。 (いや、むしろ自己愛というのかな) 夏枝のこの母性愛にも似たやさしさに、啓造はひどく非社会的なものを感じた。ど... - 読書と教養 BOOK+
名言・名文・名句 『白い人たち』 フランシス・H・バーネット
人間はまだ、自然の法則すべてを学んだわけではないのです。自然というものは壮大で、豊かで、終わりのないものであり、それ自身について新しいと思えるようなことが書き記された巻き物をいつもわたしたちの前に広げて見せているのです。書き記されている... - 読書と教養 BOOK+
名言・名文・名句 『キャロル』 パトリシア・ハイスミス
「僕と馬と大地は完全に一体となり、まるで風に枝を揺すられている一本の木になったような気がした。いつかは何か起こるにしても、そのときの僕は絶対に何も起こりはしないと信じることができた。そう考えたらとても幸せな気持ちになったよ。僕は不安のあ... - 読書と教養 BOOK+
名言・名文・名句 『キャロル』 パトリシア・ハイスミス
話したくなかった。それでいながら何千もの言葉がわき出して喉をふさいでいるのを感じた。たぶんもっと遠くまで、あと何万キロもの道のりを進まなければ、これらの言葉を整理することはできないだろう。もしかしたら彼女の喉をふさいでいるのは自由そのも... - 読書と教養 BOOK+
名言・名文・名句 『キャロル』 パトリシア・ハイスミス
「ひどい人たち」「そんなことはないわ。ただ、人が自分たちに合わせるのが当然だと思っているだけ。あの人たちが何を好きなのかはわかっているの。自分たちが埋められる空白が好きなのよ。だからすてに中身が詰まっている人が相手だと、ひどく脅かされた...