戦争一覧

書評 『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』 加藤 陽子

東京大学文学部で日本近現代史を教える加藤陽子先生が、栄光学園高等学校で中高生向けに行った5日間の集中講義をまとめたものである。小林秀雄賞を受賞。

毎年、夏には何かしら戦争についての本を読むようにしているが、インスタグラムで紹介されていたこちらの本のタイトルに惹かれて読んでみた。

司馬遼太郎が太平洋戦争での日本軍の愚行を激しく憎み、「なぜ日本はこんなばかな戦争をしなければならなかったのか」という根源的な問いをもって著作にあたった、というのは有名な話である。確かに、この問いは、日本人なら誰でももつべき問いだろう。それだけ素朴で自然で、だからこそ、難しい問いであると言える。

続きを読む

書評・小説 『八月九日の暗号 幻花』 剣町 柳一郎

『満州国演義』シリーズをご紹介いただいたインスタグラムのフォロワーさんが、満州好きが高じて小説まで上梓されたとお聞きしたので、お手元に残った貴重な一冊をお売りいただいた。今年の夏は、満州国演義に始まり満州国演義に終わる、という感じで暮れていき、読破した後は軽い「満州国演義ロス」に陥っていた私には、喪失感を埋める嬉しい本だった。(マニア過ぎる夏) 続きを読む


書評・小説 『満州国演義 九 残夢の骸』 船戸与一

長かった『満州国演義』シリーズもついに最終巻。追い詰められた日本は、東条内閣総辞職で幕開け、台湾沖航空戦、フィリピン、沖縄、特攻隊の突撃、長崎と広島の原爆、そして、最後の最後まで「一億玉砕」を唱える強硬派との行き詰まる駆け引きが続く中、ついに無条件降伏。昭和二十一年五月、復興に向かう広島に、四郎が三郎から託された満州の遺児を送り届けるところで物語は終結する。 続きを読む


書評・小説 『満州国演義 八 南冥の雫』 船戸 与一

第8巻では、初戦の快進撃から一転、ミッドウェー開戦から一気に日本軍は戦局不利となり、アッツ島、マーシャル諸島、ガダルカナル島など南太平洋の重要拠点で次々と惨敗し、東南アジアでは最大の作戦インパール作戦で敷島兄弟の次郎が無残な死を遂げるまで、が描かれる。 続きを読む


書評・小説 『満州国演義 七 雷の波濤』船戸 与一

満州国演義シリーズも終盤へ。第7巻では、昭和15年、支那戦争の膠着した状態から、ついに日米開戦、真珠湾攻撃とマレー進攻で日本軍が戦勝をおさめるまでが描かれる。ドイツのフランス進攻から始まり、第二次世界大戦に向けていよいよ国際情勢は緊迫してくる。列強国の権益争いは、満州や中国だけに留まらず、石油などの重要な資源確保をめぐって、インド、ビルマ、タイなどにまで拡大していくのだ。 続きを読む