マイノリティ一覧

レビュー・経済書 『貧乏人の経済学 もう一度貧困問題を根っこから考える』 A・V・バナジー&E・デュフロ ③

第二部の第六章で扱うお題は「リスク分散と保険」について。貧乏な人はの生活は、そうでない人達よりもずっと不確実性が高く、リスク耐性が低いということが検証される。また、そういう常に高いリスクに晒され自分の生活や人生がコントロール不能であるという感覚を持ち続けることが、精神的にも悪影響を及ぼすことも指摘されている。

リスクに直面すると(所得リスクだけでなく、死や病気のリスクも含みます)、人は不安になり、不安になると緊張して憂鬱になります。鬱の症状は貧乏人のあいだにはずっとたくさん見られます。緊張していると集中できず、これは生産性を下げます。

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書評 『貧乏人の経済学 もういちど貧困問題を根っこから考える』 A・V・バナジー& E・デュフロ ②

第一章は、前回の記事で述べた通り、「援助推進派」と「援助懐疑派」という対極的な二つの考え方を示し、「貧困の罠」というものが本当に存在するのか、という疑問に対し、「ランダム化試行(RCT)」という手法で現実的なアプローチで検証する方向性を示している。

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レビュー ・経済書 『貧困の終焉 2025年までに世界を変える』 ジェフリー・サックス ①

本書の著者、ジェフリー・サックス氏は、29歳の若さでハーバード経済学部の教授となり、途上国政府や世界銀行など各国際機関のアドバイザー及び国連ミレニアム・プロジェクトの長を務め「世界で最も重要なエコノミスト」(ニューヨーク・タイムズ・マガジン)とまで言われる、世界随一の経済学者であり国際開発の第一人者である。 続きを読む