『バーバパパたびにでる』
作:アネット=チゾン、タラス=テイラー 訳:やました はるお
出版:講談社
想像力膨らむ楽しいバーバパパシリーズの中でも、バーバファミリーの始まりが分かる欠かせない一冊。
《概要》
なんだか元気がないバーバパパ。お医者さんに「バーバママが必要」と言われ、バーバママを探す旅に出かけます。ロンドン、インド、アメリカ、ついには宇宙にまで飛び出して探し回ったけれどバーバママは見つかりません。ところが帰ってきたお家のお庭からバーバママが出てきて、、、幸せは元いた場所にあったんですね。
《おすすめタイプ》
3歳ぐらいから。どんなタイプの子にもおすすめ。自分で読むなら小学生低学年まで楽しめます。
《おすすめポイント》
バーバパパシリーズは、言うまでもなく世界中で愛されている超人気シリーズです。どんなものにも形を変えられる不思議で愉快なおばけのバーバパパ。さらに楽しさを増してくれるのは、優しいバーバママと個性豊かな7人の子供たち。この本は、そんなバーバファミリーの始まりのエピソードが詰まったシリーズでも欠かせない一冊です。
恋わずらい?のように元気がなくなってしまったバーバパパ、どこかにいるバーバママを求めて世界中を旅することになります。バーバパパはフランス生まれですからまず同じヨーロッパのイギリス、ロンドンへ。そこからインドへは列車で渡り、船でアメリカ、ニューヨーク。ビルだらけの都会からヘリコプターで田舎のレタス畑へ。世界地図を見ながら、バーバパパの足どりを辿ってみると、「ヨーロッパからアジアへは地続きだから列車で行けるんんだね」とか「アメリカはとっても広いね」とか、自然に世界地理への興味も湧いてきます。
バーバパパシリーズはどれも本当に面白いですが、例えば『バーバパパのはこぶね』のように環境問題に触れていたり、『バーバパパのしまづくり』のように自己主張と共同作業のあり方を考えさせたり、どれも「広がり」がある、という点でもとてもおすすめです。
愉快なバーバパパだけでも面白いのですが、さらに子供たちの共感を呼ぶのが、楽しい子供たち。お絵描きが好きな子、本が好きな子、運動が得意な子、音楽が好きな子、など、それぞれの個性がはっきりしているので、子供が「自分と同じだ!」と思えるお気に入りキャラが見つけやすいのも特徴です。この本は、そんな可愛い子供たちが、なんと地面に埋めた卵からニョキニョキ生まれてくる楽しいラストシーンが特に印象的です。
バーバパパは絵を見るだけでもとても面白いので、3歳くらいからでも十分楽しめますが、全体的に少しお話が長いので、小さいお子さんには『バーバパパのちいさなおはなし』シリーズもおすすめです。こちらでバーバパパファミリーに興味を持たせてから、この本でファミリー誕生の秘話に触れる、なんていうのも楽しいかも。
コメント