海外文学– category –
-
『情事の終り』 グレアム・グリーン
私にとって、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』『クオ・ヴァディス』と並んで、キリスト教の真髄について最も深く考えさせられた作品である。 主人公の中年の作家モーリスと高級官吏の妻サラァは、不倫の関係にありながら、激しい恋＝情事を重ねて... -
『月とかがり火』 チェザーレ・パヴェーゼ
チェザーレ・パヴェーゼは、イタリアのネアレアリズモを代表する作家の一人。ネアレアリズモと言えば、1940-50年代にイタリアの映画と文学の世界で盛んとなった運動で、私の好きな作家『軽蔑』のアルベルト・モラヴィアなどもその代表的作家と言わ... -
書評・小説 『メナムの残照』 トムヤンティ
タイの女性作家トムヤンティの作品で、タイでは映画化もされている有名な作品。高校生の頃、図書館で偶然見つけて読んだだが、すごく面白くて印象に残っていた。 作品の特徴を一言で言えば、タイ版『風と共に去りぬ』。第二次世界大戦下のタイ・バンコクを... -
書評・小説 『アデン・アラビア』 ポール・ニザン
かなり疲れる本だった・・・ 池澤夏樹さんセレクトの世界文学全集シリーズはとてもお気に入りで、今回はフランス文学シリーズのこちらを購入。 僕は二十歳だった。それが人生でもっとも美しいときだなんて誰にも言わせない。 という冒頭の一文が有... -
書評・小説 『たんぽぽのお酒』 レイ・ブラッドベリ
『たんぽぽのお酒 ベスト版』をお得に読む 少年のひと夏の物語・・・と言えば、なんだか安易にまとまってしまうが、ここに描かれているテーマの奥行きの深さと幅広さ、自由な想像力の力強さは、とても語りきれない。一応青少年向けの文学作品ということに...
