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書評・小説 『鬼龍院花子の生涯』 宮尾登美子
宮尾登美子の長編小説が大好物なのである。このブログでは、『きのね』を紹介したのみだが、それは10年以上も前に、彼女の長編小説を既にほとんど読み終わっているからだ。『櫂』三部作をはじめとして、生家の土佐芸妓ものも好きだし、『一弦の琴』や『伽... -
書評・小説 『すべての白いものたちの』 ハン・ガン
ハン・ガンは、韓国出身の女性作家。2016年に『菜食主義者』で、アジア人初の国際ブッカー賞を受賞して話題になった(当時は国際マン・ブッカー賞)。国際ブッカー賞と言えば、彼女に続け、と小川洋子さんの『密やかな結晶』が最終選考まで残り、惜しくも... -
書評・エッセイ 『対岸のヴェネツィア』 内田 洋子
久しぶりにヴェネツィア魂に火がついた。魂なんて大袈裟な感じがするけれど、何かそうとしか呼べないような不思議な魅力がこの街には確かにある。矢島翠さんの『ヴェネツィア暮らし』を久しぶりに再読したら、今度はこちらの内田洋子さん、現代版「ヴェネ... -
書評・エッセイ 『六本木サイド・バイ・サイド』 森瑤子・亀海昌次
森瑤子と亀海昌次の共著エッセイ。「サイド・バイ・サイド」の名の通り、「六本木」「ドア」「カレンダー」など様々なテーマを元に、森瑤子と亀海昌次が順番に重い思いのショート・エッセイを綴る。 グラフィック・デザイナーの亀海昌次は、森瑤子の本の装... -
書評・小説 『女帝・わが名は則天武后』 シャン・サ
時代は7世紀、中国は唐の時代。こんなはるか昔の中国について書かれた本を手に取ったのは、まず著者に興味があったからだ。 シャン・サは1972年、中国生まれ。天安門事件の後、家族と共に国を追われるようにしてフランスに移住。ピカソに「二十世紀最後の...