山崎豊子は、社会の巨悪を暴く!って感じのイメージがあるけれど、実は、大阪の老舗商家が集まる舟場出身のお嬢様(いとさま)。だから、京阪神の雅で豪奢な風俗を描いて楽しむスノビッシュなところもあったりして、それも読む楽しみの一つ。
こちらの作品もドラマ化されていてストーリー性は十分あるけれど、ほかの代表作と比べると、登場人物のキャラクターの描き方と言うか感情移入への踏み込み方がいまひとつかな。その分、スノビッシュな方を楽しみました。
藤代と梅村芳三郎の着物の着こなし、矢島家に伝わる骨董の数々、矢島三姉妹が出かける吉野の花見には、五重ねの蒔絵のお重に料亭「堺卯」の艶やかな花見料理がお伴し、末娘雛子のお見合いは、有馬の「古泉閣」で鄙びた飛騨料理。きわめつけは、クライマックス直前、嵯峨御所で舟を漕ぎ出した後、南禅寺「瓢亭」に場所を移して行われる雅なお月見。
こんな的外れな感想文でごめんなさい・・・でも、読書って自分の好きなように楽しんでもいいんですよね。
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