『むしたちのうんどうかい』
文:得田之久 絵:久住卓也 出版社:童心社
虫の大好きな子供にぴったり。子供が大好きな「うんどうかい」を追体験できる楽しさ。
<概要>
今日は虫たちの運動会。トノサマバッタの園長先生の挨拶と共に、応援合戦、かけっこ競争にとびっこ競争、玉入れに綱引き、創作ダンスまで。虫たちの個性を生かした楽しい楽しい運動会の始まりです。
<おすすめタイプ>
生き物好き、虫好きな子供。初めて運動会を経験する3、4歳から。
<おすすめポイント>
運動会は、大体どこの保育園や幼稚園でも開催される最もメジャーなイベント。その運動会のすごくベーシックな形を、虫たちがそれぞれの個性を生かして再現する、というところが、この本の面白いところです。
夏のセミたちと秋の鈴虫や松虫などの虫たちの応援合戦に始まり、かけっこのスタートの合図はピストルではなく、ミイデラゴミムシのオナラ。かけっこで早いのはキリギリスだけど、とびっこ競争で速いのはギンヤンマ。玉入れの玉はなんとダンゴムシで、創作ダンスはちょうちょとカマキリ、綱引きの最後はハサミムシが力を入れ過ぎて綱を噛み切ってしまい・・・と、ユニークなエピソードを追いながら、運動会の競技や流れがしっかり再現されています。
これから初めての運動会、という子供には、良いイメージトレーニングになりますし、運動会を経験したばかりの子供には、自分たちと同じ運動会を虫たちがやっている!と、振り返りながら楽しい追体験ができます。運動会をとっかかりにして、「運動会ってこんな風かな?あんな風かな?」とイメージを膨らませたり、「玉入れや綱引きはまだやったことがないけれど、こんな競技なんだ!」「年長になったり小学生になったりするとどんな風かな?」と、想像を広げながらお話しすると楽しい。
それぞれの虫の個性を生かしたエピソードがたくさんあるので、生き物好きな子には、「ケラって土の中にもぐっちゃうの?」「オオムラサキはちょうちょだけどお花の蜜ではなくて樹液を吸うんだね」などなど、虫の生態を調べるきっかけにもなりますね。
コミカルな絵もとっつきやすいですし、短い割りに広がりができる中身の濃さがあるので、普段絵本にあまり興味の無い子にも、是非一度試して欲しいおすすめの絵本です。
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