- エッセイ
『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』 石井 良子
タイトルからおいしそうな予感のする本。 日本シャンソン界の草分け、石井好子さんが「暮らしの手帳」に連載したお料理エッセイをまとめたもの。初版は昭和38年ということだから、相当古い本だ。石井好子さんは、叔父は大隈重信の孫にあたる方、... - エッセイ
『コルシア書店の仲間たち』 須賀 敦子
須賀敦子さんを知ったのは、20代後半になってからだった。偶然、なんとはなしに『ヴェネツィアの宿』の文庫版を本屋で買ってみた。しっとりとした美しい文章に、はっとさせられた。私の祖母と同じくらいの年代なのに、大学を卒業すると単身フランス... - 経済・社会・文化
書評『ヨーロッパのサロン 消滅した女性文化の頂点』 ハイデン・リンシュ
『ヨーロッパのサロン』をお得に読む 『知の広場』の記事でも触れたが、数年前から「編集的文化が発生する場」というのに興味をもち、サロンやクラブ、カフェなどに関する本を読み漁っている。日本語で読める本でいちばん近いものは、松岡正剛氏らが共同で... - 経済・社会・文化
『知の広場 図書館と自由』 アントネッラ・アニョリ
数年前から「編集的文化が発生する場」というものに興味がある。具体的には、ヨーロッパのサロンやカフェ、クラブみたいなものだ。小林章夫他松岡正剛や田中優子も共著となっている『クラブとサロン』はもちろん読んだが、このジャンルで日本語で読める本... - 日本文学
『光って見えるもの、あれは』 川上 弘美
本作は、ちょっと変わった家族(シングルマザーでライターの母親と古風な祖母)、ちょっと変わった周囲の人(遺伝的に父親にあたりながら、ふらふらと主人公の家庭に出入りする大鳥さんやなぜかその大鳥さんと気が合う担任教師のキタガー)、ちょっ...