おすすめ絵本31 『3びきのかわいいオオカミ』


3びきのかわいいオオカミ』

文:ユージーン・トリビザス  絵:ヘレン・オクセンバリー

訳:こだま ともこ 出版社:冨山房

小さい子供でもパロディ」がもつ面白さを実感できる新しい名作です。

《概要》

3びきのかわいいオオカミは、お母さんに言われて家を建てます。3びきで協力して、頑丈なレンガのお家を建てれば、わるいおおブタだって怖くない!ほら、わるいおおブタが息を吹きかけてもびくともしません、、、ところが!わるいおおブタはなんと、ハンマーを持ってきてレンガの家をめちゃくちゃに壊してしまいます!コンクリートの家を建てても電気ドリルで、鉄筋コンクリートの頑丈な家を建ててもダイナマイトで壊されてしまいます。どうしたらいいんだろう?オオカミたちは、全然違うものでお家を建てることにしました。そしたらあら不思議、こわーいおおブタが、、、

《おすすめタイプ》

 「3びきのこぶた」の筋を理解している子。5歳くらいから。動物がたくさん出てくるので動物好きな子にも。派手なドリルやダイナマイトなんかも出てくるので、ゲームや戦隊好きな男の子も楽しめます。

《おすすめポイント》

これも、子どもが「学校で読んで面白かったから」と紹介してくれた本です。全国学校図書館協議会、日本図書館協会の選定図書に選ばれていますが、日本の初版は1994年ですので、ママ達が子どもの頃にはまだあまり知られていなかった絵本ですね。

概要を読んでお気づきの通り、これはズバリ、有名な『3びきのこぶた』のパロディです。『3びきのこぶた』は、保育園や幼稚園でも劇やペープサートで何かと取り上げられるので、子どもたちには絶対お馴染みのストーリー。この絵本のすごいところは、その小さい子供がよく知っている物語に目をつけて、「パロディのもつ面白さ」を体験できるようになっていることだと思います。

のっけから、かわいいオオカミがこわいブタに気をつけなきゃ、なんて、「あれ!逆じゃない!?」と、おかしな感じ。そして、オオカミたちはこぶたと違って最初から頑丈なレンガのお家を作り始める。「それじゃブタが来ても家が壊れないよ、どうするんだろう?」と読んでもらう子どもたちも興味津々。

で、そこで、まさかのブタがハンマーでレンガの家をぶっ壊してしまうシーン!これは、読んでいるママも衝撃的でした(笑)もうここで子どもたちは大ウケ。そこだけ取り出したら笑えないと言うか、怖がってしまいそうなシーンですが、なぜこんなにウケるかと言えば、それは、子ども達の頭の中に『3びきのこぶた』の「レンガのおうちは大丈夫」という筋が刻み込まれているから。その筋通りにいかない!という意外さ=「パロディの面白さ」があるからこその面白さなわけです。

その後も、これでもかと頑丈な家を建てるオオカミくん達に対し、ブタが取り出すのは電気ドリルにダイナマイト。とにかくこのブタが「極悪」なんです。もうね、出てきた瞬間から面構えがワルイワルイ。絵本史上稀にみる極悪ブタだと思います(笑)それがまた、『3びきのこぶた』との対比で余計に笑えるんですけど。

最後は「頑丈な家を建てる」方向に頑張るのではなく、発想の転換をする!と言うのも面白いところです。ここでも『3びきのこぶた』の常識を覆すわけですよね。で、極悪のブタが、お花の家の香りと美しさに急に可愛くなって踊り出す、というチグハグさも笑えます。

とにかく、これを初めて寝る前に読んだ時には子ども達が笑って興奮し過ぎてしまい、『ブタヤマさんたらブタヤマさん』以来の「寝る前に読んではいけない本」に認定されました。でも、子どもがそれだけ笑ってしまうのは、なんといってもそこに「パロディの面白さ」があるからで、そこは「広がり」がある重要な部分だと思います。

何度も言うように、『3びきのこぶた』のストーリーがポイントなので、子どもがそれを余り意識していないようだったら、「あれ、オオカミがブタを怖がってるなんて反対だね」とか「レンガのお家だったら壊れないはずだよね」とか、読みながらママが言ってあげてはどうでしょうか。読んでもらう子どもたちの面白さが増すと思いますよ。

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