新しい書店のかたちを模索し、地方都市福岡にブックスキューブリックを開業した大井実さんのエッセイ。開業の経緯やブックスキューブリックでのイベントやカフェ併設の展開、また、著者自身の出自やおすすめ本なども載っていて、面白く読めた。
本屋離れが進む中、本屋は新たなコミュニティづくりや体験・参加型のサービス提供をしなければ存続できないであろうことは、今の潮流からなんとなく推察できるものの、それをいざビジネスに結びつけた例を見つけるのは中々難しい。
私自身も、今は本屋に全く行かなくなってしまったので、今わざわざ足を運ぶ価値のある本屋、というものが本当にあるのか、とても興味がある。
以前から、文化を生み出す特殊な「場」というものに興味があって、西欧のサロンやカフェ文化、日本の連の文化などを地味に調べている。
「本屋」「書店」にも、そういう不思議な「場」としての力をもつものがあって、例えば本書でも紹介されている須賀敦子さんの『コルシア書店の仲間たち』とか、ロバート・ハリスの『EXILES』とか、すごく憧れた記憶がある。
自分の時間ができたら、少しずつ、面白そうな本屋やブックカフェ巡ってみようかなあ、と思っている今日この頃です。
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