おすすめ絵本11 『しゅっぱつしんこう!』


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『しゅっぱつしんこう!

文:三田村信行 絵:柿本幸造 出版:小峰書店

乗り物好きと動物好き、どちらタイプでも楽しめる貴重な絵本。特に男の子におすすめ。

《概要》

僕は電車が大好きで運転手になるのが夢。ある夜、おもちゃの電車が本物になって、僕は運転手さんに!可愛い動物のお客さん等をたくさん乗せて、楽しい電車の旅が始まります。

《おすすめタイプ》

電車好きなら3歳くらいから。お話の内容が楽しめる4,5歳が最適です。乗り物好き、動物好きの男の子に特におすすめ。

《おすすめポイント》

男の子は興味の対象が、乗り物(車、電車)、戦闘物、生き物(虫、恐竜、動物)の主な3パターンに分かれる、と良く言いますね。うちの息子は赤ちゃんの頃から、とにかく生き物好きが徹底していました。もちろん、おままごとやお人形遊びが好きな男の子だって全然構わないんですけどね。大事なのは、余り限定せずに、小さい頃から色々なものに触れさせてその子が一番好きなものを分かってあげることなのではないかと思います。

この本は、乗り物にはほとんど興味を示さないうちの息子でも、動物がたくさん出てくるので楽しめる、という貴重な本でした。もちろん、面白さの一番の肝は、運転手さんの帽子、ブレーキハンドルの使い方、急ブレーキやトンネル、などなど、電車の運転が体験できるところです。電車好きな子は、これだけで十分楽しめるでしょう。

乗客の動物たちが可愛くて、絵が優しい色合いで描かれているところも素敵です。柿本幸造さんの絵は、『どんくまさん』シリーズの他、有名な『どうぞのいす』など、なんとも言えない親しみと温かさがあって良いですよね。

以前、『おまえうまそうだな』の記事で、<小さい頃から性別で興味の対象を限定するのは良くない》という話をしました。このブログでも、紹介する絵本は基本的に男女どちらでもこだわりなく楽しめるような視点でおすすめしていますが、この本をわざわざ<男の子におすすめ>としたのにはワケがあります。途中で、<立ちション>のシーンが出てくるんです。運転手さんの僕まで一緒になって、途中で電車を止めて動物たちと一緒に野原で<立ちション>するシーンは、ユーモラスで微笑ましく、この本のハイライトの一つです。でもまあ、なんと言っても<立ちション>なので、、、女の子にはどうだろう、とちょっと思ったわけです(笑)

まあ、今では小さな男の子ですらその辺で<立ちション>なんてしませんから、そういう意味では男女関係無いかもしれませんね。しかも、大きくなってから聞いてみると、女の子が男の子の<立ちション>というか、立っておしっこするやり方に憧れたとか興味があった、とかいう話もちらほら聞いたりします。実際試してみて惨事になったケースもあるとか(本人よりお母さんの方が惨事ですね)。確かに、野原でみんなで並んで<立ちション>のシーンは、とっても気持ち良さそうですよね。

動物の乗客たちと一緒に<立ちション>したり、目的地の海岸で海水浴をしたり、目一杯楽しんでしまう運転手さんですが、帰りは乗客のみんなが昼寝をしていても、僕だけは眠っちゃいけない。運転手さんの仕事は楽しいだけじゃなく責任重大で大変なのです。楽しいだけでなく、そんなところもさりげなく感じさせてくれるのも、この本の魅力の一つです。

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