【育児書言いたい放題】 『令和の中学受験 保護者のための参考書』


『令和の中学受験 保護者のための参考書』をお得に読むには

2021年2月初版という最新版の中学受験案内です。著者は、大手進学塾の講師を13年間勤めた後、中学受験向けの個人塾進学を運営している矢野耕平さん。

私は自分の子供に受験させる意欲が殆ど無く、特に、「親の受験」である小学受験や中学受験には全く興味がないのです。なのに、なぜこんな本を、という感じですが、自分が地方出身で中学受験を全くしていない為、返って興味が沸いてきました。地方の公立中学、高校から東大に進学した経歴からすると、「中学から私立の費用はコスパが悪い」と単純に感じてしまうわけですが、そう言い切るには中学受験についてあまりに何も知らない私。言わば「中学受験の最新案内」的本書を読んでみようと思ったわけです。

最新の「中学受験の基礎知識」的なことが分かりやすくまとめられています。

まず、平均的な塾の頻度と費用については

【例・スタジオキャンパス(著者の経営する塾)・一週間の学年別授業回数と授業時間】

小3     週一回  授業時間・一時間二十分

小4     週二回  授業時間・四時間

小5      週三回  授業時間・十一時間二十分(その他、土曜日のオプション講座あり)

小6     週三回  授業時間・十二時間(その他・土曜日日曜日のオプション講座あり)

もうね、いきなりびっくりですよ。高校受験でも大学受験でも、週1回、1〜2時間の塾しか通ったことのない私。で、これだけ通えば当然ながら費用は嵩むわけで

【大手塾の平均塾費(年間)】

小3   25〜40万円

小4   45〜65万円

小5   70〜90万円

小6   110〜140万円

だそうです。ちなみに、中学受験の大手塾としては、SAPIX、日能研、四谷大塚、早稲田アカデミーの4つが紹介されていました。SAPIXは授業進度が比較的速く、かなりの量の家庭学習が求められるスタイル、日能研は比較的カリキュラムが穏やかで難関校から中堅レベルの学校まで幅広く合格者を輩出している、四谷大塚は大手予備校が運営会社ということもありノウハウがシステム化されていて宿題の分量はやや少なめ、早稲田アカデミーは体育会系熱血指導の講師が多い、などの特徴があるとか。

私が中学高校6年間での塾費用を合わせても200万円は届かない(中高とも20名程度の集団授業による個人塾で、高校については英語教科のみ)ので、時代が違うとは言え、私立校の学費も合わせて考えると、やはり「最終学歴の獲得」という観点から見ると、あんまりコスパ良くないなあ、というのが実感です。

ただ、それは「最終学歴の獲得」だけに注目した場合、しかも、私が地方出身者だからです。

首都圏を中心に中学受験の比率が高まっている地域は、「環境を買う」という意味で、中学受験をさせる、という面もあるんだろうなあ、と思います。エリア的に中学受験が過熱化すればするほど、どうしても学校は二極化してしまう傾向があります。要は、エリートや勉強熱心な家庭の子供が私立中学に集中してしまう、ということです。親としては、何がなんでも子供をエリートに、というのではなく、向学心のある真面目な家庭の子どもが多い確率の私立校に行かせてあげたい、と思って受験させるケースが多いのも理解できます。

この本を読んで思ったのは、どうせ中学受験をするのなら、中学受験を子供の人生の一つのチャレンジとして活用する方がいいな、ということです。

確かに、中学受験は殆どが親の受験だと思います。「佐藤ママ」の著書を読んでも、子どもよりは親の努力が成果に直接影響するな、と思います。この本の著者は、

子どもベッタリの親だと、子どもが入学後伸びない

「中学受験は親の受験」というのは「半分は正解で、半分は間違い」主体は紛れもなく子ども本人

と主張しているので、「佐藤ママ」のようなスタイルとは少し違うかな、と思います。

それでも、中学受験については親の以下の「3つの覚悟」を挙げていて、

1 わが子の成績にその都度一喜一憂しないこと

2 中学受験をすると一度決めたら、よほどのことがない限り意志を貫徹する

3 中学受験で四苦八苦するわが子を「かわいそう」」だと思わない

中学受験に向いている子、向いていない子というよりも、その向き不向きは、むしろ保護者にある

また、もし中学受験に全敗したとしたらそれは、《保護者のエゴ》や《塾側の言うことを鵜呑みにしてしま》った《親のせい》だと。
やはり、中学受験にはまず親の覚悟が求められる、ということですね。それを踏まえて子供に受験させよう、と決めた上で、子供には「一つのチャレンジ」として努力し成果を出す、という経験を積ませてあげるように持っていくべきだな、と思った次第です。

この本で言う通り、内申点の影響が高い高校入試に比べれば《中学入試は限りなくフェア》なので、子供の努力を試すチャレンジとしては、良いのかもしれません。学校を選ぶ際には、学校説明会などで方針をよく確認し、体験会などに積極的に参加して子供と目標を共有すること、受験を「個人戦」と捉えて、他と比較したり群れたりしないこと、といった注意点もなるほど、と思いました。

その他、塾や学校が公表する「合格者数」にはカラクリがあることや、模試の合否判定や偏差値の考え方、さらには、中学受験のスケジュールなど、実務的な情報も掲載されているので、「中学受験のいろは」を学びたい親には、とても良い一冊ではないかな、と思います。

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