名言・名文・名句 『氷点』 三浦 綾子


異様なほどの優しさだと啓造は思った。こんな奇妙なやさしさは、男にはない。これが母性愛というものなのかと、啓造は夏枝をながめた。

(いや、むしろ自己愛というのかな)

夏枝のこの母性愛にも似たやさしさに、啓造はひどく非社会的なものを感じた。どうかすると、恐ろしく冷酷なものに一変するものが、その中にひそんでいるようい思われた。

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