日本文学– category –
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書評・小説 『ハンサムガールズ』 森 瑤子
1988年初版。東京に暮らす5人の女性、外資系OLをしながら作家を目指している聖衣子、才能ある女優で芝居に生きるサキ、雑誌の編集者で未婚の母の真利江、エステティックサロンでインストラクターをしている羊子、ピアノバーの演奏者伊佐子の、それぞれの恋... -
書評・小説 『鬼龍院花子の生涯』 宮尾登美子
宮尾登美子の長編小説が大好物なのである。このブログでは、『きのね』を紹介したのみだが、それは10年以上も前に、彼女の長編小説を既にほとんど読み終わっているからだ。『櫂』三部作をはじめとして、生家の土佐芸妓ものも好きだし、『一弦の琴』や『伽... -
書評・小説 『JR上野駅公園口』 柳美里
全米図書賞の翻訳部門を受賞した柳美里さんの小説。柳美里さんの作品は長らく読んでいなかったが、受賞のニュースを知って興味が沸いた。 全米図書賞と言えば、1950年から続く権威ある文学賞であり、『世界の8大文学賞』でも紹介されていた。私が読んだ作... -
書評・小説 『終わった人』内館牧子
いやー、なかなか面白かった。有名な脚本家の内館牧子さんの「定年コメディ」。時勢を反映して大ヒットし、映画化もされた作品である。なんと言っても、山崎豊子さんもそうだが、「男社会を知り尽くした女性作家」が書く小説は面白い。男社会と男の本性を... -
書評・小説 『ノモンハンの夏』 半藤 一利 ②
この本を読んで印象的だったことがもう一つある。それは、辻政信という人物の存在だ。太平洋戦争史に残る凄惨なノモンハン事件や史上最悪の作戦といわれたインパール作戦の実行犯として名指しされながら、戦後、軍事裁判を逃れ、自民党議員として返り咲い...