『舟を編む』 三浦しをん


本屋大賞に期待していない、と言いながら、『書店主フィクリーのものがたり』に続き、本屋大賞の作品が続いていますが(笑)

三浦しをんさんの作品は自分的には安定感があって読める。なんていうか、同世代の同じようなオタク気質の人と気楽に話せるような感じと言うのか。本書は辞書編纂にスポットをあてた作品だが、『風が強くふいている』や『神去なあなあ日常』のように、地味な仕事に懸命に没頭する人達の、ある意味青臭い話である。でも、オタク的ユーモアがちりばめられてて、古風な格調のある文章で、その青臭さが全然嫌味じゃない。

辞書なんて、電子化の波の中で消えゆくものの最たるもので、いや、むしろ、もう既にほとんど消えかけているものだけど、著者はそういうものを敢えて選んだんだろうなあ、という気がする。そこにジャッジは無くて、ただ、懸命にやることのひたむきな美しさと力強さがある。三浦しをんさんは、やはり青臭い若者の姿を描くのが上手い。でも、同世代の読み手として、これからまた物語がどう成長していくんだろう、という期待もある。

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