『うずらちゃんのかくれんぼ』作:きもと ももこ出版社:福音館書店
かくれんぼの楽しさと迷子のドキドキと、小さな子なりのドラマが味わえる、初めて読んであげるのにぴったりな絵本
<概要>
うずらちゃんとひよこちゃんが森でかくれんぼを始めます。じゃんけんぽんをして、先に隠れるのはうずらちゃん。どこに隠れたのかな?交代で楽しくかくれんぼをしているうちに雨が降ってきて・・・もしかして、迷子になっちゃった?それに、大きな黒い影が出てきてもしかしてお化け⁉︎
びっくりしたけれど、大きな影は実は迎えに来てくれたお母さん!楽しかったね、と一緒にお家に帰ります。
<おすすめのタイプ>
年齢は、0歳からでも楽しめます。男の子でも女の子でもOK。
<おすすめポイント>
絵がとてもカラフルでビビットなので、小さな子供の目を惹きます。うずらちゃんやひよこちゃんが、お花やひょうたんの形になって隠れたり、「かたち」の面白さがあるのも良いところ。小さなうずらちゃんやひよこちゃんたちの目から見ると、身の回りの草やキノコや、突然飛び出たカエルや、お迎えにきたお母さんたちが、とっても大きく存在感あるように描かれています。
「東大卒ママの子供に絵本をえらぶポイント4つを紹介」の記事で「言葉遊びや擬音語がおもしろい」ことと「取っ掛かりがある」こと、という2つのポイントを挙げましたが、この絵本はまさにそれ。「じゃんけんぽん」や「かくれんぼ」といった原始的な遊びを、まだ知らないうちから歌とリズムと絵で覚えて、それを取っ掛かりに自然と本を開く楽しさを知ることができます。0〜1才のうちは、絵を見せて「じゃんけんぽん」と「もういいかい」「まーだだよ」を歌ってあげるだけでも十分だと思います。「じゃんけんぽん」と「かくれんぼ」は、日常生活でも自然と目に触れることが多い遊びなので、小さな子供の興味を惹きやすいですよね。
もう少し落ち着いて読み聞かせができる月齢になってきたら、ストーリーに目を向けて「広がり」を感じさせてあげると良いと思います。起承転結がはっきりとしたストーリーなので小さな子でもついて行きやすい。また、「おかあさんがいなくなっちゃった!」というドキドキや不安と、「お母さんがおむかえにきた!」という喜びは、どんな小さな子でも共感できる感情です。小さな子供にとっては、まさにその2つの相反した感情を味わうことが、大きな心理的ドラマを味わうことに繋がります。
コメント