読書については小説からビジネス書からなんでも読む派なのですが、育児書というものだけはついぞ読んだことがありません。でも、ブログの一環として育児書というジャンルにも挑戦してみよう!と思い、本屋の育児書コーナーというところに初めて足を踏み入れたところ・・・あるわあるわ、今更ながら、育児書のラインナップの豊富さにびっくり。
で、何から手に取るべきかしばし途方に暮れたわけですが、最初の一冊こそ、自分にとってハードルの高そうなものに挑戦してみよう!と、巷で話題の「佐藤ママ」なる人のこの本を選びました。受験も知育も興味もない、って言うか、東大に合格することなんて大した意味ないじゃん、と内心思っている私が、敢えて、「子供全員東大理Ⅲに合格!」を謳い文句にしている方の本を読む。「毒をくらわば皿まで」的心境とでも申しましょうか。
こんなの読んでるのが旦那にバレたら、とうとうご乱心か、と思われそうなので、丁重にブックカバーに包んでもらったのを、家に帰ってから恐る恐る開くと、、、冒頭のメッセージがガツンと心を揺らしました。
「お母さんは子どもに対してすべての責任をもつ」
「18歳まではすべて親の責任、親の仕事である」
出ました、この強烈な母親信仰。
これはまた別の記事で語りたいと思いますが、そもそも、私が最も嫌いとするのが、こういう「母親で子供は決まる」的な考え方です。もう、この時点で、
あ、この著者とは根本的な価値観が全く違ってるな
とすぐに分かりました。まあ、読む前からそうだろうな、とは思っていたけどさ。
子供だって別人格の一人の人間だし、その人間に対して別の人間が全責任を負うなんて無理だし、そもそもおこがましい。大体、古今東西、身分の高い人は使用人や家庭教師が教育していたし、庶民は家族やコミュニティ全体で子育てをしていたので、母親が子育ての全責任を負うなんて、たかだかここ数十年から百年にも満たないくらいの歴史しかない。それに、その教育の最終目的地が「学歴」ってのもどうなのよ、とか色々言いたいことが山積み。。。
いきなり全否定から入りましたが、初っ端から「根本的に価値観が違う」というのがハッキリした後は、それはそれとして、返って「なるほど」と納得したり、参考になることも多かったです。自分なりに軸を持って読めば、母親がこの本を読んで損することはないのではないでしょうか。あと、最後に詳しく触れますが、中学受験を考えているお母さんには参考になることが多いと思います。
何と言っても、この佐藤ママのすごいところは、「子どもの学力を東大理Ⅲ合格レベルまで上げること」が、完全に自分の仕事である、と心に決めているところです。世間一般の人がなんとなくイメージしている「お母さんの仕事」を完全に超越してます。その仕事へのこだわり、熱意、徹底は素晴らしい。その仕事の目指すところに共感はできなくても、それだけのプライドとプロ意識を持って仕事している、というのはやはり素晴らしいことで、素直に感心してしまいます。
ま、だからこそ、他に仕事がある、とか、子どもとは別に自己実現したいことがある、という母親は、こういう方のやってることを間に受けず、話半分に読めばいいんですけどね。
子どもが勉強や習い事だけやっていれば良いような環境をつくるために、お手伝いもさせないし、片付けは全てやってあげる、テレビやゲームにはなるべく近づかせない。子育てには出せる限りのお金を出し、出来るだけ子どもの話を聞いてあげるために、おそうめんを茹でている最中に話しかけられても「ちょっと待ってね」という言葉は言わない。私はとてもじゃないけれど、真似できない。
「ちょっと待ってね」と言った瞬間、子どもの好奇心は風船のようにしぼんでしまいます。子どもの今の方がずっと大事ですから、おそうめんが団子みたいに固まってだめになっても、それでよしとします
私なら、おそうめん茹でてる間にしぼんでしまう好奇心なら、その時はタイミング悪かったな、でよしとします(笑)
もちろん、子どもが小さい時にはできるだけ相手してあげたいです。でも、当たり前だけど、お母さんだって完全無欠じゃないし、四六時中子どもと一緒にいたら飽きもするし、息も詰まります。お素麺茹でる1、2分すら子どもの好奇心を最優先しなきゃ!と思っていたら身がもたない。佐藤ママはそれが仕事だから、プロだから、やれるんでしょうけれど。
このプロ意識と情熱の他に、本書で良いな、と思った点、共感できる点を挙げておきます。
- 母親が自ら勉強する、勉強することを楽しむ、自分も一緒にやる
- 子供はとにかくほめてほめてほめ倒す
- 人と比べない
- 叱る・怒るときは事前にシミュレーション
- 朝は絶対に怒らない
- 兄弟は公平にする
- 日本語の力を大事にする、早期の英語教育は必要ない
- 幼少期の勉強は「先取り」、成功体験を積んでやる気にさせる
- 無理に学校に行かせない
- 受験はルールを理解してテクニックを磨く
次回は、これらについてもう少し詳しく触れたいと思います。
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[…] 『「灘→東大理Ⅲ」の3兄弟を育てた母の秀才の育て方』の「佐藤ママ」や『強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話』の「おやじ」が実践していた勉 […]