この本、とても良かったのでおすすめです!
基本、育児方法について悩むことってほとんどないのですが、自分の経験があまり当てにならないと言うか、自分がされてきた方法を参考にしてちゃダメだよなあ、、、と内心思っていたのが、性教育について、です。こればっかりは時代もあるし、自分が受けていたような、ザ・昭和な教育方法ではダメだ!と思いつつ、中々情報も無いし、人には相談しづらいし、特に上の世代の意見は絶対的に参考にならないし、、、と悩んでいたところ。
で、この本をまずはお試し。ちょっとタイトルが軽過ぎるかな、と思っていたのですが、、、さすが著者ののじまなみさん、「とにかく明るい性教育」を標榜されているだけあって、まず何より笑える。
冒頭から
3歳から10歳は、ズバリ「うんこ・ちんちん・おっぱい」が大好きな年齢です!
と爽快に言い切ってくれます(笑)
でも、だからこそ、この年代に、きちんと母親が性教育について話をしておくことが大事、というのが、のじまなみさんの主張。10歳以降になると、親からその手の話をされるのは「キモ、ウザ」と拒絶するようになり、完全な思春期には全く受け付けなくなる、とのこと。
それは自分自身を経験を振り返っても納得です。やばい、上の娘はもう8歳なので、あんまり時間無いじゃん!と、子供の成長の速さに焦ってきます。
笑えるエピソード満載なのですが、一番参考にしたいと思ったのは「魔法の言葉」。言葉が性的な質問をしてきた時にどう答えるか、という問題で、とにかく
「いい質問だね!」
と返す。理由として3つを挙げています。
お母さんのドキッとした表情を隠せるため
子ども達に受け入れてもらったと感じてもらうため
なんでそう思ったか、そこにフォーカスできるため
確かに、子供にトンデモ質問をされた時、お母さんがドギマギしてしまうと、子供は敏感に感じ取ってしまいますから、これならネガティブなイメージを与えることなく、時間稼ぎができていいな、と思いました。そこで一呼吸置くことで「なんでその質問をしたのか」にもフォーカスできる。子どもが性的なことに興味を持った裏には、「お友達にこんなことを言われた、された」とかいう経験が隠れているかもしれないので、直接の質問に答えて終わり、ではなく、「なんでそう思ったのか」にフォーカスするのも大事なんだ、というのも納得です。
なぜ魔法の言葉が大事なのでしょう?実は性の話には「一度きりルール」というものが存在するからです。
子どもはとても敏感です。親の戸惑う表情を見逃しません。子どもの頃、親と一緒にテレビを見ている時に、「あぁ〜〜ん❤️」なんてシーンがはじまって、家の中が北極のように凍りついた経験、ありませんか?金縛りにあったがごとく動けないあの感じ・・・(笑)<略>
性に関する質問をした時に親がドキッとして黙り込んだり、アタフタしたりすれば、「これは質問してはいけないんだ」と子どもは思ってしまうのです。
また「そんなこと聞かなくていい」と拒否されれば、このままでは親から嫌われる、怒られると思い、口も心も閉ざします。<略>
親に頼れなくなった子どもが頼る先は・・・ご存知「インターネット先生」です!その結果どうなるか?もうおわかりですよね
と言っても、いざ性の話を小さい子供にするには具体的にどうしたら良いのか、というのは悩ましいもの。
この本の中では、そういう具体例もたくさん書かれていましたが、最も重要なのは「水着ゾーン」
・他人に見せても触らせてもいけない、自分だけの大事な場所
・「口」と「水着を着て隠れる場所」を指す
・男の子も女の子も、口、胸、性器、おしり
いやらしい意味ではなく、「大事な場所」だからこそ「見せない」し「触らせない」(=人のを触っても見てもいけない)と教える、これがまず基本とのこと。ここから、例えば女の子が性犯罪に遭いそうな時に自分でおかしい、と気づける、とか、男の子がお友達のパンツの中を見たがったり、先生のおっぱいを触ったりするのをダメと教える、とか、広げていけるので、やはり大切だな、と思いました。
あと、昆虫や動物の話の中に性教育を入れ込んでいく、というのも良いアイデアだな、と思いました。カクレクマノミは、性別が途中で変わる(群の中で一番大きいのがメスになって次に大きいのがオスになる)、なんてエピソードでLGBTにも触れられたり。うちの息子は動物が大好きなので、このあたりから話をしてみるのも良いなあ、と思いました。そう言えば、小島慶子さんは、息子さん達の性教育に、レゴの設計図の例えを使ったそうです。「きちんとした性教育を!」と小さな子供に意気込んでみても、絶対的に空回りだけしそうな予感大なので、無理なく自然体で取り入れられることから始めていきたいですね。
私は自分が兄2人という兄妹構成なので、男性の性というのか生理というのか、女性の割には理解がある方だとは思いますが、それでも、母親からすると、男の子の性教育ってやっぱりよくわからない、理解できない、悩ましい部分があります。姉妹しかいないお母さんなんて尚更だと思います。この本は、男の子の性教育についてのヒントもたくさん書かれていました。
男の子にとっておちんちんは、自己肯定感の塊と言えます。ここにコンプレックスを持ってしまうと、自己肯定感を高めるのは、実はなかなか難しいのです
むう〜、なるほど。他にも、精通とマスターべーションの話なんかも載っています
マスターベーションは親子でマスター
というのは、私にはだいぶハードルが高く感じられましたが・・・(笑)
うまく距離感を保ちながら、子どもの性を尊重していきたいな、と思いました。
避妊については、さすがにまだちょっとうちの子には早すぎますが、
ヨーロッパでは、小学校でペニスの模型にコンドームをつける授業が行われる、
「緊急避妊ピル」(モーニング・アフターピル)は、避妊に失敗した時から72時間以内に飲めば、約90%の確率で妊娠を防げ、日本でも病院の医師の処方で手に入れることができる、
などといった知識も、とても参考になりました。
コメント