おすすめ絵本5 『三びきのやぎのがらがらどん』


『三びきのやぎのがらがらどん』  え:マーシャ・ブラウン やく:せたいじ 出版社:福音館書店

ちょっと不思議なノルウェーの昔話。伝統的な昔話と遠い異国文化の面白さが同時に味わえる。

<概要>

昔々、山奥に住んでいた3匹のやぎは名前がみんな同じ「がらがらどん」。ある日、草をたくさん食べようと山に登っていくと、石橋の下には怖い怖いトロルが待ち構えて、一番小さいがらがらどんを食べようとします。「次にもっと大きなやぎが来ますよ」と賢く難を逃れる小さながらがらどんとちゅうくらいのがらがらどん。最後にやってきた大きな大きながらがらどんは、あっという間にトロルをやっつけて、みんなで無事にお腹いっぱい草を食べたのでした

<おすすめタイプ>

お話を楽しめる3〜5歳くらいまでがおすすめ。

<おすすめポイント>

古い絵本ですが、現代に溢れているアニメ調のイラストとはかけ離れた、スケッチ風の、色調も地味目の絵が、かえって子供の興味を惹くかもしれません。「東大卒ママの子供に絵本をえらぶポイント4つを紹介」の記事で書いたように、小さい子供には、絵本を通して色々なタイプの「絵」に触れさせてほしいな、と思います。

がらがらどんが順番に橋を渡ろうとし、トロルがそれを引き止めて会話する。こういう、伝統的な童話や絵本にありがちな、登場人物や動物や物だけが入れ替わって行われる「同じ場面の繰り返し」は、小さい子供に情景を強く印象づけて、ストーリーを分かりやする効果がありますね。こういうシーンは、「大中小」の区別がはっきりするように、声色を変えたりして、面白さを演出するのも、読み手の演技力の見せ所だと思います。

ジブリアニメの『となりのトトロ』が好きな子供には、この映画がとっかかりになるかもしれません。ご存知の通り、メイちゃんが「トトロ」と聞き間違えたのは、この絵本に出てくるお化けの「トロル」のこと。エンドロールでは、さつきちゃんとメイちゃんが、退院したおかあさんに、このお気に入りの絵本『三びきのやぎのがらがらどん』を読んでもらっているところも出てきますね。

日本の昔話を読む、というのも広がりがあって良いですが、色々な国の民話や童話を読む、というのも、また別の広がりがあって面白いもの。ノルウェーという国は、あまり馴染みのない国かもしれませんが、地図を広げて「ノルウェーってどこにあるのかな?」と見てみたり、動物好きの子供なら、「日本にいるやぎとちょっと違うね」と、大きなツノの山羊の様子から、ノルウェーの山岳地帯を想像しても面白いかもしれません。

あと、この本が面白いのは、やぎが3匹とも「がらがらどん」という同じ名前を持っていること。これは、中々日本にはないパターンです。西欧には、「1世」「2世」みたいに、同じ名前を使い回す風習があるからでしょう。こういうところも日本とは微妙に違う文化があって面白いです。ちなみに、「がらがらどん」とは、ノルウェー語で「Bruse(うなり声)」だそうです。「がらがらどん」というよりは「がおー」という感じでしょうか。「トロル」という言葉と同じように、小さい頃から、名前や響きで異国の文化を感じる、というのも、幼児にとっては貴重な体験になると思います。

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