『世界トップ機関の研究と成功率97%の実績からついに見つかった! 頭のいい子にする最高の育て方』をお得に読むには
この本とても良かったです!
基本的に「6歳までの育児法」を解説したものですが、子供が小学校に入ってから読んでも参考になることがたくさんあります。
著者のはせがわわかさんは、京都大学大学院工学研究科の修士課程を修めた後、大手メーカーの研究員として勤務する傍ら、一児の男子を育て、未就学児の知育、育児法を指導する「ハッピーエデュ」を立ち上げているそう。
前半は、結構当たり前の内容が多くて、妙に類型化された「パーソナル診断」とか、伝統的な「父親の役割」論的なところとか、なんか読みながらイマイチ、、、と思っていたんですけど(笑)後半から俄然、面白くなってきます。冒頭で《一見すると本書は、「他人と比べない」「いっぱい抱きしめる」など、オーソドックスな子育て法も多いかもしれません》と著者本人が言っている通り、オーソドックスな内容は確かに多いです。でも、そこに、海外の最先端の研究とか論文とかいった科学的エビデンスもしっかり取り入れられていて、読んでいてとても納得感があります。
例えば、「楽しいからやっていることに対してご褒美をあげると、そのこと自体への興味がなくなってしまう」「一度ご褒美をあげるご褒美がないと楽しめなくなる」と言った「アンダーマイニング効果」。これは、ボーク重子さんの『「全米最優秀女子高生」を育てた教育法 世界最高の子育て』や『モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリオ教育を知り尽くしたオックスフォード児童発達学博士が語る自分でできる子に育つ ほめ方・叱り方』などの本にも出てきました。「ご褒美をサプライズにすればアンダーマイニング効果は働かない」という実践的な内容も示してくれていて分かりやすいです。
それから、最近育児書でよく見かける「アンガーコントロール」(アンガーマネジメント)についても触れられています。イラッとしたら深呼吸する、とか、時間を置いクールダウンする、とかいうのはよくある指摘ですが、「怒り」そのものを科学的に分析してその対応方法を示しているのが面白かった。
怒りは、①怒った行為を判断し ②自分の思う「あるべき姿」と比べてふたつが異なる時に、③クールダウン機能が働かない、という3つのステップで発生するということです。つまり、このどれかが起こらなければ、怒りは爆発しないのです。
このステップに分けて原因分析するのがとても大事だな、と思いました。
特に、怒りの主な原因が②なのか③なのか、というところ。③がメインならば、母親自身が寝不足とか疲れている、とか、子供と一緒にいる時間が長過ぎる、というところに主な原因があるのかもしれません。②のところならば、自分がそもそも考えている「あるべき姿」とはどんなものなのか?それを今の子供にどれだけ求めるべきなのか?を、一度立ち止まって考えてみるべきなのかもしれない。
本書の中で一番個人的に面白かったのは、幼児の頭や心の発達の仕方に即して、遊び方や学習法が考えられている、というところです。
例えば、小さい子供の「なぜなぜ期」に対して、親がすぐに回答を与えてはいけない。《自分で答えを探し、自分で答えに気づくから、科学は楽しい》《今、大人から教えられた答えを丸暗記してしまうより、たとえ間違っていても、自分で考え、想像する面白さに気づくほうが、100倍大切》。
注目すべきは、ここで著者が何度か、この時期の子供は「目に見えないことを想像することはできない」と触れていること。
しかもまだ今は、目の前にないことを想像することは苦手なので、正しい仕組みを理解することはなかなかできません
ですから例えば「どうして電車は速いの?」と聞かれた時、「電気の力でうんぬん」などという「目に見えない理由」について言われても、あんまり面白く感じません。「ふーん…」で終わってしまいます。
この、「幼児は目に見えない部分を想像することができない」というのは、『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』の本にも出てきました。小さい子供はハサミの柄だけを見てハサミだ、ということが分からない。この、幼児の認知の仕方を知ることは子育てでとても重要だな、と思います。これについては、次回の記事の「遊び」の部分で再度触れたいと思います。
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