『趣味は読書』 斎藤 美奈子


辛口批評で知られる斎藤美奈子が、いわゆるベストセラー本を評した連載コラムをまとめたもの。斎藤美奈子の言う「善良な読者」ではない私は、いわゆるベストセラー本は余り読まないし、読んでもすぐに忘れてしまうひねくれ者の1人だが、五木寛之だろうが石原慎太郎だろうが、どんな大御所&大ベストセラーでもバッサリ切り捨てる大胆さに、やや驚き呆れながらも面白く拝読いたしました。

ややフェミニスト的論調はあるものの、基本的に「読書する人は少数民族」であり、ベストセラーと言えども、かなり特異な一定の購買層に支えられていること、そういう意味で、中高年層、40~50年代のオヤジといった層に、昨今のベストセラー本の人気の秘密が隠されていること、などは、言われてみればそうか、と至極納得がいった。石原慎太郎の『老いてこそ人生』を、「強靭な肉体&スポーツ自慢」「病気&怪我自慢」「いい療法&人を救った自慢」の「肉体派の自慢話の集積」であり、

《オレたちの世代、オレたちの時代についてとうとうと語った本」「太陽族は陽が傾いてもなおギラギラである。・・・読んでいるこっちは日射病になりそうである

とアッサリかわすところなんか、噴飯もの。

面白いのだが、さすがに49冊まとめてとことんおちょくられているのを読んでいると、途中から飽きてくるというか、なんとなく著者の性格の悪さとひねくれ加減にげんなりしてくることは否めない。もともと雑誌の連載コラムだったらしいが、それくらいのトーンで少しづつ読んだ方が健康的に楽しめる感じはする。

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